いぬお病院 精神科・心療内科
いぬお病院 電話番号 0942827007
佐賀県鳥栖市萱方町110
 
精神科・心療内科
佐賀県鳥栖市萱方町110 TEL:0942-82-7007
INUO MENTAL CARE HOSPITAL

フリーペーパー「リセット」掲載記事

2016年4月号
日本ならではの「季節的なうつ病」って!?

季節性のうつ病
前回は「冬季うつ病」という季節性のうつ病についてお話ししました。これは冬、日照時聞が短くなると体内で産生されるメラトニンというホルモンが影響を受け、体内リズムに変化が起き、体が自然と冬眠状態を作り出すため、結果として元気がなくなり気分がさえなくなるということでした。今回は、このような自然現象に伴ううつ病ではなく、日本ならではの季節の変化に伴ううつ病についてお話ししたいと思います。

日本ならではの季節性のうつ病
日本ならではの季節性のうつ病というものがあります。それは昔からよく言われる「五月病」です。そもそも各国には学校年度というものが存在します。その中でも四月から新年度が始まるのは、私の調べた限りでは日本だけでした。お隣の国、韓国は日本より一ヶ月早い三月ですが、中国を含め、欧米諸国のほとんどは九月に新年度をスタートするようです。そういった意味では「五月病」という「うつ病」は日本ならではのものと言ってよいでしょう。というのもこの「五月病」、年度替りと深く関係し、この年度替りが私たちの国、日本では先に述べた通り四月となっているからです。

「五月病」って何?
ところでこの「五月病」とは一体何なのでしょう。もちろん「五月病」は正式な病名ではありません。「就職、進学、転居などで環境の大きな変化が起きた後、初めのうちは気を張って頑張っていたものの、五月に入った頃から、不眠、不安、食欲不振が起こり始め、その後気力が低下して、学校や職場に行けなくなる状態」を一般的に指します。つまり新しい環境に適応しようとがんばり続けた結果起こる燃え尽き状態を意味するのです。もちろん、これらの症状は一時的で、その後自然と回復することがほとんどでしょう。もしくは自分で何かしら気分転換をはかることで、改善を目指すという方もいらっしゃるかもしれません。

「五月病」と「うつ病」の分かれ目
ところがこの「五月病」、いつまで経っても改善しないことがあります。もしこの状態が一ヶ月以上続くようでしたら、「うつ病」を疑いましょう。新しい環境に慣れず、悶々とした日々を過ごし、不安、不眠が強まるようであれば要注意。「いつかは治る」「忙しいから」といって放置するとよくありません。まもなく新年度。五月とは言わず、何かいつもと遣う気分の不調が続くときは、早いうちに精神科を受診されることをお勧めします。

Copyright(C)INUO HOSPITAL All rights reserved.
いぬお病院|精神科・心療内科
〒841-0081 佐賀県鳥栖市萱方町110
お問い合わせ:0942-82-7007